0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
若い頃に戻ったのか?
確か俺は専門学校を終えてエンジニアになり生産機械を動かしていた。
年月が経ち身体に異常を感じて入院・・・。
徐々に記憶が戻るがその後はない。
そして若い自分と昔の景色。
もしかして俺は死んだのか?
過去に戻ってリセットされようとしているのか?
別の道を歩めということは、もうひとつの選択がここにあるというのか。
「おーい」
呼ぶのは農家を営んでいた叔父だ。
子どもの頃、耕運機に繋がれたリヤカーに乗せられて田んぼへ来たものだ。
田植えなどよく手伝ってたな。
叔父は昔のように俺をリヤカーに乗せた。
田んぼへ着くとこう話す。
「親父さんの後を継ぐんだろ?作業は俺が教えてやるよ」
どうやら農家を継ぐことになってるらしい。
しかし、時代が進むにつれこの辺一帯は開拓され工業地になったのでは。
そのため、農家が減り会社勤めが多くなったと聞く。
俺もその一人だった。
今、この場所へ降りたとされるなら未来は変えられるのか?
農業を続けていられるのか。
もちろん未来のことは分からないが、新たな分岐点とされるのなら可能性はある。
もう一度人生を歩め。
亡き自分が後悔しているのなら別の道も有り得るということか。
ここで決意したら人生の後半の記憶は無くなるだろう。
新しい自分を見出すのなら。
最初のコメントを投稿しよう!