虚しさの話

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「お前と一緒に導き出した明白な事実だったら、ナルシストだとか自信家だとか言われる筋合いはないだろう」 「まあ、うん」 「もう虚しくない」  そう穏やかな声がした。  再度、背中に腕が回されて抱き寄せられていた。  どうして優しいことを言うのだろう。  これも彼の優しさなのか彼の価値観なのか分からないのに。 「――そうだ」  静寂の中から浮かぶ彼の声は絹の布のように彼女を撫でる。 「これからセックスは晴れている時だけにしたらどうだろう」 「……えっ」
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