LOVE is a GAME

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翌朝、空は悔しいくらい晴れ渡っているのに、俺の心は重いままだった。 周は、結局夕飯を食べに来なかった。 風呂でも、会わなかった。 もしかしてまた外に出たのかと心配になり周のルームメイトに確認したら、体調が悪くてベットで寝ていると言われた。 体調が悪い? 絶対嘘だ、そんなの。 それでも見舞いなんてあからさまな口実で会いに行くのは気が引けて、だからと言ってほかにうまい理由を見つけられずに、そのまま昨夜は会いに行かなかった。 だって、どんな話をすればいい? どんな顔で、周に会えばいい? わからなかった。 気の進まないままだらだらとたどり着いた扉の向こうからは、クラスメイトたちの笑い声が聞こえてくる。 その中に、周はいるんだろうか。 重い引き戸をゆっくりと動かすと、徐々に開けていく視界の中に見覚えのある猫っ毛の いた。 「おー…っス」 「あ、おはよう、森野くん」 「周……」 周は、笑顔だった。 いつもと変わらない、ふにゃりとした顔で俺を見上げてくる。 それでも、気づいてしまった。 『森野』と呼ばれたことに。 「めぐ……」 「おーい、石川!」 口を開きかけた俺を遮るように、教室の端から周を呼ぶ声が届く。 少し躊躇った様子を見せてから、周は俺に背を向けた。 「なに、佐野?」 楽しそうに談笑するふたりの姿が、遠い。 心の中が、もやもやした。 周の笑顔が、頭の中に焼き付いている。 『おはよう、森野くん』 顔に貼り付けた笑顔に抗うような、周の無機質な声音が蘇る。 なにを気にしているんだ。 確かに、呼び方は変わった。 でも、元に戻っただけだ。 みんなと同じじゃないか。 それなのに。 どうしてこんなにも、胸が痛むんだ。
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