流国編 序章

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流国編 序章

ラトゥーとほぼ同じくらいの大きさの国土を持つ流国について、最初に聞いた話で一番印象深かったのは、後宮という仕組みだった。 「へえ~」 姫騎士だったベルヌーイはまだ15歳だった。 「すごいね。4人の女性をトップに」 「その下に9人、さらに下に27人、さらにさらに下に81人、合計121人!奥さんだけでだよ!」 様々な職業が書かれた資料を見ながら、ベルヌーイは想像を膨らませる。 「その時々の王さまによるけれど」 分厚い本のページをみながら補足説明してくれたのは、当時皇太女だったオレオ姫で、 「最大規模時は数千人になるそうよ」 「ええええええ ?!」 まだ王子だったオリフィスがいつものように邪魔しに来てて、大声で叫んだ。 「…」 オレオ姫が両耳を塞いで兄のオリフィスを睨む。 「あ。オリフィス、うらやましーんでしょー、や~らし~」 ベルヌーイがオリフィスをからかうと、 「なっ!わけないだろっ」 オリフィスとベルヌーイがじゃれあい始める。 はっきり、小学生か。あんたたちは!と何度も注意するが、次の日には忘れてまた同じことをしているので、 オレオ姫は無視して、資料の内容をチェックする。
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