見守ってるよ

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見守ってるよ

ピンポーン ん? 眠い目を細めて目覚まし時計をみる 夜中の2時? ピンポーン また鳴った ナオミは気持ち悪かったが そーーっとインターフォンの画面を見た え? 牧生(まきお)? なんで? 私、寝ぼけてるょ そんなはずないし! 牧生は5年前に不慮の事故で突然、亡くなっているからだ あれから一人息子の涼を抱えて大変だった でも一度として夢にも 出てきてくれなかったから ナオミは怒っていた 薄情な牧生め! 悲しんでる暇なんかなかった 事故の相手側と保険会社からある程度保険金が下りたからそのまま、このマンションにいられたけど 一人親はキツイよ などと思い出し眠気は一気に吹っ飛んだ 仕方ないのでドアを開けて入れてやった ところでナニ? 死んだよね牧生? あー、お前達を残して 逝ってしまって 僕だって死ぬほど辛かったんだよ 実際、死んじゃったじゃないよー あ、あ、そうだったな すぐにでもこうして会いに来たかったさ だけどあちらの世界にも 色々規律があるんだ ぼくはまだいいほうなんだ この世で人の役に立つ仕事をしてきただろ? だからこういう事が 許されるけど普通の人は できないよ ふーん まっ、コーヒーでも飲む? せっかく、はるばる?来てくれたんだしね て、いうか幽霊とか霊魂とかってドアホン鳴らすか? 鳴らすよ みんなわからないだけだよ あっちの人達は律儀なんだ ナオミは霊感がすっごい あるんだよ だからわかったってこと ふーん 来てくれてありがとうなんだけど5年経ったから涙は出ないわ でも会えて嬉しいわ
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