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序章
人類と呼ばれるもの、そう我々の先祖は遥か昔、自らの持つ魔力を文明の糧とし大いなる発展、栄華を極めてきた。しかしあまりに強大になりすぎた魔力を悪用するものが現れ、それが国家に伝播した時、人類の歴史に終止符が打たれた。
魔大戦。
国家における魔力の全てを注ぎ込み、国と国とが血で血を洗う戦いにその身を投じていった。まさに魔文明のピークに起きたこの戦いは、100日間続き人類の半数がこの大戦でその命を落としたとも言われた。栄華を極めた文明は崩壊し、あらゆる所に魔力の痕跡「魔痕」が残っていた。焦土と化した大地を晴れることのない暗闇が覆っていた。
生き残りし人類も、座して死を待つしかない状況の中、世界を光で覆うカミ「レミソマク」が現れた。
「人類よ、悪しき考えの源であるその力を大いなる慈悲の心で弱き者に与えよ。そしてその者たちより、新たに力の恩恵を受け生きる道を選べ。さすれば再び文明の道は開かれん」
こうして人類は大いなるカミのレミソマクと契りを結び、魔力を放棄した。そして新たに魔力を譲り受けた者からの恩恵を受け、生きる道を選んだ。
レミソマク歴、新たな時代の幕開けであった。
時は大きく流れレミソマク歴931年。世界で最大の面積を誇るモンコウ国。国土の大半が草原と砂漠からなり、文明の栄えた都市部は一部の山沿い、海沿いの限られた所に開けていた。そのため都市部の人口の密集度が高く、人々がひしめき合って暮らしていた。
また草原地帯には広大な草原や湿地帯があり、そこに移動型住居のゲルを使用し暮らす遊牧民の姿もあった。彼らは古の教えを守り魔力を宿した家畜「魔畜」の世話をし、その魔力の恩恵を受け生活をしているのであった。
人類が再び魔力を得、自らその力を使うことは叶わない。
魔畜の生み出す魔力の産物にすがり、生きていく。そう、その魔力に憧れ、叶わぬ思い、幻想の生み出したもの「空想」にすがって・・・。
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