Cocoon

2/12
前へ
/37ページ
次へ
すかさず少しずつ距離をあけようと足早に進もうとする直樹。 「他にもあるぜー香織の恥ずかしい話。小5の時にさー間違えて小1の弟の制服着てきてさー。」 「ちょっとやめて!!その話!!無茶苦茶恥ずかしい話じゃん!!」 「えー!?何それ!聞きたい!その後どうなったの??」 「そう言えばちゃんと話すの初めてだね」 澤田のお淑やかな声が、僕の耳にすーっと入り込んだ。 「そ・・・そうだっけ?そうだね!同じクラスだけど ハハハ。」 「あっ花火大会楽しみだね!行くんでしょ?園部君も」 「うん。でも緊張するなー」 「緊張?なんで??」 「だって俺、そういうの初めてでさ。仲いいのって直樹だけだし。」 「そうだよねー。私も香織と明日香に誘われて入ったものの。あとの人たちってあんまり絡みないんだよね。」 「えっ?そうなの??」 自然と心に浮かんだ言葉が、口から出てしまった。 「うん。明日香とは中学一緒でずっと一緒で。あの子そういう行事ごと好きでよく誘われるんだけどね」 「ハハ・・・。澤田も大変なんだね」 「そーなんだよ!大変だよ!」 澤田の見た事ないような冗談を言う顔が凄く可愛く想えてしまい 思わず照れてしまった。 このまま時間が止まればいいのになと思っていると     
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加