0人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に着くと直樹が早速先程の状況を聞き込みにきた。
「せっかく合図送ったのによー。でも結果オーライだな!」
直樹は、満足そうだった。
けれど夢のような時間を送れた僕は、直樹の言葉が耳に入らなかった。
「聞いてんのか?良二ー!!」
「え?ああ!良かった良かった!」
「お前絶対に聞いてなかったろ?まあいいや。これでメール送りやすくなったな!」
「メール?」
「馬鹿!さっきは、ありがとうとかでもいいんだよ!」
「あっそっか!」
直樹は、ずーと僕を見ている
「何?」
「いや、見とかなきゃ送らなそうだからさ。」
「・・・後でちゃんと送るよ」
「あー!もう歯がゆいわ!携帯貸せ!」
そう言って、直樹は僕の携帯を取り上げ何やら打ち始めた
「ちょっと待ってよ!」
「はい!そうしーんと」
「えぇ!!」
「あっ。間違えて幼虫に送ってた。」
「え!?」
画面を確認すると
幼虫は、【ありがとう、大好きです】という言葉を嬉しそうに食べている。
「おぃ!大好きってなんだよ!!」
「それぐらい言っとかなきゃダメだろ!」
「もういい!送るよ!」
澤田のチャットに切り替え【さっきは、ありがとね。】と送った。
「なんだよ。つまんねーな。」
「いいだろ!送ったんだから!」
最初のコメントを投稿しよう!