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その一言に、何故だろうか。鼓動が早まった気がした。
「実はさー。女子5人集まったんだけど、男子あと1人足りないのよー。」
「え!?マジ!?」
僕が喜んだ事を良い事に、直樹は澤田や他の女子が話してる所に行って、声をかけ始めた。
「澤田さん!矢野っち!」
「どうしたの?中野君?」
澤田さんの声だ。嗚呼なんて心を癒してくれる声なんだ。
「あと一人なんだけど、良二が丁度空いてるみたいでさー。」
えっ!?
「良二って・・・。どんな子だっけ?」
ほらー。矢野なんて僕の事わかってないじゃん!!
「園部君だよ。ほらあそこの席に座ってる。」
澤田ーッ!!僕の事わかってくれてたのかーッ!!
「そうそう、園部。いいかなーあいつでも?」
「いいんじゃない?ねぇあゆ。」
「うん。いいよ」
ありがとうーッ!澤田!直樹ーッ!!あと矢野!!
その反応を見て、嬉しそうに戻ってくる直樹は、こっそり僕の耳元で
「お昼ご飯よろしくな」と囁き自分のクラスに戻って行った。
直樹が教室に帰っていくのを確認し、すぐに送られてきた招待により
グループチャットに参加した。
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響き静まり返る教室の隅に
未だに僕の鼓動が鳴りやまなかった。
この日受けた授業のほとんどを僕は覚えていない。
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