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ミリアリアは魔力の風を宿した剣の刃をエルフ兵の1人に突き刺した後に刃に宿した魔風を爆ぜさせ、体内をズタズタに切り裂かれたエルフ兵は絶叫を迸らせながら骸と化してしまう。
残る2人のエルフ兵は慌てて長剣の切尖をミリアリアへと向け繰り出したがミリアリアは僅な動作で繰り出された繰り出された2本の切尖を跳ね上げ、バランスを崩してよろめいたエルフ兵の所に駆け寄り長剣を手にした手を一太刀で切断してしまう。
肘の近くから腕を切断されたエルフ兵は傷口を押さえて絶叫してのたうちまわり、ミリアリアはのたうち回るエルフ兵を無視して残るエルフ兵の所に向かおうとしたが、そのエルフ兵は既にアイリスによって長剣を持っていた手を肩口から切断されて苦痛にのたうち回っており、アイリスはのたうち回る2人のエルフ兵を黒い光の枷で捕縛した後にウィンクしながら口を開いた。
「助かったわ、ありがとう、彼女は上手くやってるかしら?」
「……貴女の事だから大丈夫だろうとは思ったんだが彼等の所業に対して多分に含む所があったのでな、それと、エリーゼの事なら心配無い」
アイリスの言葉を受けたミリアリアは面映ゆそうな表情で応じながらイライザの元へと駆け寄るエリーゼの姿を示し、アイリスは頬を緩めながらその光景を見詰める。
「イライザ様!」
「……エリーゼ?」
イライザの所に駆け寄ったエリーゼは瞳に涙をためながら万感の想いを籠めて呼びかけ、2度と逢える事が無いと考えていた最愛の女(ひと)の姿と声を見聞きしたイライザは掠れ気味に声をあげた。
イライザの掠れ気味の声を聞いたエリーゼが瞳に涙をためたまま頷きながらレザイエームの刃を鎖に当てると白銀の刃は魔力で強化された鎖を紙の様に容易く切り裂いてイライザを戒めから解き放つ。
戒めから解き放たれたイライザは大木に背中を預ける事で消耗しきった身体が崩れ落ちるのを防ぎ、エリーゼはイライザの傍らに近寄り涙をためた瞳で疲労困憊したイライザを見詰めながら口を開く。
「……イライザ様、大丈夫、ですか?」
「……んっ……くっ……だ、大丈夫……だ……んっ……心配……するな……エリー……ゼ」
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