安定の王道

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結局、綾川はその後三日程学校を休んだ。 元気そうには見えたが、やはり体調が悪かったらしい。 その間、会長が居ない穴埋めは次席の九月が行い、三ノ宮はその手伝いで大忙しであった。 「お陰で助かりました。ありがとうございます」 にこりと穏やかな笑みを浮かべる九月に、向けられた三ノ宮をはじめ、九月の親衛隊員達は皆満面の笑みを浮かべる。 三ノ宮が生徒会役員ではない為出来る事は限られたが、その点は正式に申請を通した上で普段手伝う以上の物も処理出来るようにしたので、九月の負担はかなり軽減された。 隊員達はそこまでの権限は持ち得なかったが、可能な限り二人のバックアップをし、その礼が言いたいと九月が言い、会長が復帰した数日後にこうして食堂に集ったのだ。 「九月様のお力になれたのなら何よりです」 「お疲れ様です!」 隊員達も騒がしくない程度に夫々、九月に声をかける。 それを見て隊長は九月様は勿論隊員達が尊い……とデレデレし、副隊長にドン引きされていたりする。 そんな穏やかな中で、突然周囲から歓声が上がった。 これは人気の生徒が来ると良くある事なので慣れてはいるのだが、今この場には九月が居る為に騒がしくされるのは良い気分ではない。 一体誰が来たのだと、入り口に背を向けていた三ノ宮が振り向くと当事者は思ったより間近に居た。 「よう」 片手を上げニヤリと笑う姿は、流石人気ナンバーワン。 とても様になる。 それに外野がきゃあきゃあと騒ぐ中、九月親衛隊はひたすら沈黙をしているので中々の温度差である。
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