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何事も真摯に向き合い、我が身に恥じる事はするな。
自身が周りに与える影響を考え行動しろ。
なんて、いかにも己を律する事ができます。と言わんばかりの言葉を口癖のように日頃から発して居る少年の日常は、その実静けさとは真逆でとても騒がしい。
「プレゼントを貰ってくれない?そんなの当たり前、毎日毎日頼んでも無いプレゼント攻撃食らってりゃ有り難みも無くなる!大体物で釣ろうとするな!お前らの愛はそんなものか!!」
聞いてください!と涙ながらに唐突に突撃して、悩みを打ち明けてきた見知らぬ後輩を相手に怒鳴り。
「あのですね先輩、もし自分が毎日毎日所構わずきゃーきゃー騒がしく追いかけ回されてみてください、一日二日は良い気分かもしれませんが、その内煩わしくて仕方なくなります。そんな相手に好感なんて覚える筈も無いでしょう。静かな蛞蝓の方がまだ好感ありますよ」
これまたいきなり現れた見知らぬ先輩相手に、心底呆れつつ諭し。
「制裁?具体的には?いや、聞かなくてもわかるからいい。ただそんな事してなんの得になる。確かに近付く奴は減るし牽制にはなる、でもそれで失う物を考えてる?親兄弟にも迷惑がかかるよ。あ?隠し通す事なんて無理に決まってるだろう!自分が愛する人にも失望されるだろうし、第一相手に深い傷を負わした責任をどうとるんだ、一時の激情ですべてを捨てる覚悟はあるのか。そこまであるなら逆にその覚悟を何故好いた相手に注げない。よく考えろ」
怒りに顔を赤くして、制裁を!と声高に論じた複数人を正座させて、性根を叩き直すべく嗜める。
これが日常になってしまっている少年は、考えを改めて退室した少年達の背を見送りつつ、深い溜息を吐いた。
「めんど……」
「お疲れ様です隊長~」
何が楽しいのかにこにこ側で控えて居た一人を皮切りに、はじめから室内に居つつも背景となして居た者から次々と労わりの言葉が上がる。
全員が全員美形、というわけでは無いが少年らしい可愛らしい顔で微笑む光景は疲れきった少年には癒しでしか無い。残念なことに男だか。
「ありがとう……本当お前ら天使、女だったら嫁に貰ってたなー」
「やだ~!三ノ宮隊長ならお嫁になりたいー!」
「えー僕どうせなら隊長をお嫁に……」
きゃいきゃいと賑やかな姿は争いや男臭さとは無縁であるが、実はここ生徒会副会長である九月英吾(くがつえいご)親衛隊の本部である。
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