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人間は一度満ち足りてしまうと 大切なものが離れていっても気づけない それが最も 怖いのかもしれない 高校1年の冬休み前日 進路課題として、将来の夢がテーマの作文が出された 俺の夢は、心理カウンセラーと決まっている あの時から…… 「それでは解散」 「今日は信の家だな」 「明日から冬休みだし、今日は信也の家に泊まって宿題片付けちゃう?」 「得意教科で分けて協力してやればすぐ終わるしね!」 「おい、勝手に決めるなよ」 「だって、お前断らねーだろ?」 「それとも、初めて断る?」 「……いや」 「じゃあ決まりだな!」 「家から出るとき連絡する?」 「しなくていいよ。 もし、俺と大翔が家に居なくても、いつもみたいに勝手に入ってて良い」 「わかった!」 「大翔は少しゆっくり来いよ。お前か急いで来ると俺が着替え終わってないかもしれないからな」 「わかったよ。信は着替えるの遅いからなぁ」 「お前みたいに制服ベッドに置きっぱなしとかしてないからなっ!」 「ったく、几帳面過ぎだろ」 「お前が、雑なんだよ。 優磨、舞彩、そろそろ行かないとバス乗り遅れるんじゃないか?」 「ほんとだ!」「じゃあ、後でね」 「俺たちも帰るか」 帰り道、スマホに通知がきた。それを確認しようとスマホを取り出すと、画面に大きく白い文字で <試験>と書かれていた
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