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こんなことになるなんて想像もしてなかった。
好きだった。だけど、それを忘れるぐらい辛いことがいっぱいあった。
だから気持ちをないことにした。そんな昔の自分。
それなのに。
「今日から息子共々よろしくね、千紗ちゃん」
「…はい…」
ならば、目の前にある現実をなかった事にできるだろうか?
目の前に立っているのは優しそうな男性と、………よく知る顔がもう一人。
「…宜しく」
それは私の知っている姿より少し大人っぽくなった、昔の想い人だった。
今日から私達は、家族になる。
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