忘れていた思い出

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悠人・栞side 「悠って分かりやすいよね〜、昔から。顔真っ赤だよ〜?」 そう栞に指摘されるが、そんなのは自分でも分かってる。 千紗の言葉で顔が火照ってしょうがなかった。 ただ出会えて良かったと言われただけなのに、こんな風になってしまう自分に少し呆れる。 「うるさいな…自分でも分かってるよ」 「戻るまでにはどうにかしてよね〜?…ねぇ…悠、今回は守れたね…本当に、千紗ちゃんが無事で良かった」 さっきまで人をネタにニヤニヤ笑っていた栞の声は、急に元気をなくしてしぼんでいく。 「ああ、でもきっと…千紗はまた苦しんでる。今度こそちゃんと守るんだ…だから泣いてる暇ないぞ、栞。お前こそ戻るまでにはどうにかしろよ?」 流れる涙はすぐは止まらないだろうけど、わざと軽口を叩く。栞が俺にしたように。
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