あとがき

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本来レクイエムをラストに据えようかと迷ったのですが、そうではないな、と思い直したのは、このジャンルの持つ音楽への純粋な想いからです。 音楽を心から楽しみ、そして音楽が生活として、命として共にある。私はこのジャンルの曲を聴くとそんな風に感じます。 ところで色々と調べながら、日本人である私の感覚からすると、ロマとは不思議な民族だな、とつくづく思いました。 サルコジの人種差別が露呈し世界的に批判を受けた時に、かなり多くのロマの方々はパリを離れ素直に強制送還されたそうです。 大地が故郷、と言う感覚は、私たちにはないものです。 私は図らずもジプシーの生んだ文化、フラメンコやら、ジプシー・スウィングやらに心惹かれるもので、今回私も色々なことを知り、学び、そう言う意味でも書いて良かったな、と思っております。 読んでくださった皆様も、この作品を読んで良かったと思って頂けておりましたらとても幸せです。 余談ですが、YouTubeにジャンゴとグラッペリの貴重な動画がひとつだけありますので、是非ご興味のある方はご覧下さい。 『J'attendrai』(原題Tornerai)と言う有名なシャンソンをマヌーシュジャズにアレンジしたものなのですが、ラストシーンのイメージはこんな感じなのです。 本当に素敵な二人だなあと見るたびに思う。 そしてこの映像で、ジャンゴ・ラインハルトが多くの偉大なギタリストから尊敬される理由がきっと感じられると思います。 あとアンジェロ・ドゥバーレとドラド・シュミットのコンビもめちゃくちゃかっこいいのです! 語り出すとキリがないのでこの辺で。 この度は本当に沢山の応援をありがとうございました。 心より御礼申し上げます。 鴻上 縞
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