太陽の旋律

あとがき

ここまでお読み下さった皆様へ、ありがとうございました。
誰も読まないんじゃないか、と思うくらいのマイナージャンル、しかもジプシーと言うとフラメンコやらスペインやらを思い浮かべる方が多くを占めるのではないかな、と感じている中、フランスに住まうロマをテーマにしたこの作品を完結まで書ききれて本当にほっとしております。
そして思ったよりも沢山の方が読んで下さり、それだけでなく毎更新スターを投げて下さるかたがいらっしゃって本当に感謝しております。

この作品は『永遠のジャンゴ』と言う映画に着想を得て書き出したものです。
映画に出てきたのが、作中にも登場した迫害されたロマの為のレクイエムでした。
一度しか演奏されなかったその理由は分かりませんが、私は二度とこの悲劇が起きないように、と願うジャンゴを想いました。
しかしナチスドイツ時代から長い時を経た現在、世界は人種差別を悪としていながらも、悲劇は起きています。
聖月が弾いたレクイエムもまた、悲しい時代の節目になりますようにとの願いを込めて書き上げましたが、それよりももっと単純に、ジプシー・スウィング(マヌーシュジャズ)と言う音楽を知ってほしいな、とも思っております。