天使と悪魔

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今日に限って両親はいなかった。 テーブルの上には、肉のご馳走があった。 が、目下私はダイエット中。 カロリーを気にする思春期の女の子なのだ。 ダイエット雑誌は常に最新版を読んでいて、テレビ番組もダイエットの文字を見つけたら録画し何度も見返して実践する。 本屋に行けば、もちろんダイエットコーナーに行き、料理本からも効果的な美肌の情報収集は怠らない。 にも関わらず、この前の学校の健康診断では、いつもよりプラス3キロ増えていた。 友達にはもちろん内緒にしていたが、心なしか、片想いのK君が私と距離をとるようになった。別の子になびいている雰囲気も感じている。 あからさまにそういう態度を見るとショックを受ける。 まだまだダイエット頑張らないとなあ。 なんとかK君にだけは嫌われないようにしないと。 だからこそ勉強は二の次で今はダイエットに集中集中、と自分を改めて奮い立たせていた、そんな只中。 私の目の前に垂涎のご馳走が転がっているのだ! 家には今、私だけ。 はあ、どうしよう。 思案しているうちに、脳内で2人の役者が登場してきた。
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