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「今日は泣いちゃった?」
『教室でちょっとね…。黒板に大きく「卒業」とか書いてあるし、みんな高校バラバラだし。あと、式の最中も、泣きそうになっちゃった…。』
定番の、手繋ぎベンチの二人。
『目録の時…。華澄と目が合ったでしょ?そしたら、なんかいろいろ思い出しちゃって。』
「あの時…。」
『うん…。華澄と同じで、わたしの中学の思い出の中にも、いつも華澄がいたから。』
「なっちゃん…。」
立ち上がり、華澄ちゃんの前にしゃがみこんだ。
両手を握る。
『ありがとう、華澄。いつも一緒にいてくれて。』
「ううん…。わたしこそありがとう。いつも見ててくれて、守ってくれて。」
『これからもよろしくね。』
「うん。わたしも、よろしくお願いします。(泣)」
華澄ちゃんの泣き笑いの顔が可愛くて、思わず、頬にこぼれた涙を唇で拭った。
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