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1.女神に拉致られて
「あれ……ここ、どこ?」
いつの間にこんなところに来たのかしら。
「自分の部屋でゲームしてたと思うんだけど……」
というかこんな豪華な部屋、三十年以上生きてきた人生の中で初めてだわ。
うわぁ、この絨毯とかソファとか、すっごく高そう……。
うーん、寝落ちでもしたのかしら?
うん、きっと夢ね!
「――これは夢ではないぞ、星野愛よ」
「ぅひゃっ?! 誰?!」
目の前にあったソファに、いつの間にか女の子が座っていた。
喋らなければ人形かと思うほど可愛い子だ。
ただ今のように、偉そうに脚を組んで着物を着崩しているところを見るに、性格はそれほど可愛いものではないかもしれない。
今……一瞬で現れたわよね? 誰もいなかったのに。
あっ、そうか、これって夢だったんだわ。
夢なら何でもアリよね!
「夢ではないと言っておるじゃろうが」
うわっ、考えること読んでくるの……?
夢の中とは言え、いい気分じゃないわねぇ。
「で、あなたは誰なのかしら?」
「全く信じておらんのう……」
のじゃロリ少女は「やれやれ」とでも言いたげな顔だ。
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