episode246  聖なるローブの下

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さすがお説教はうまいんだ。 「僕が本当に、そんな条件を飲むと思ったの?」 僕は言いくるめられた被害者のふりを。 本当はもう痛いくらいに身体が疼いていたけれど。 「頼むよ。これ以上乱暴な真似はしたくないし、君の尊厳を傷つけるつもりもない」 ルカは騙されなかった。 彼の眼は真実を見抜いている。 ただ指摘しないだけで。 「十分我慢した。君は偉いよ――だけど人はそう簡単に変われないんだ」 「その格好で言うと真実味があるね」 聖職者のローブは悪意の隠れ蓑にもなるらしい。 「けど実際問題――こんなで僕を抱けるかな」 着々と罠にはめられていることも知らないで。 美しい眠り姫はまだ夢の世界から戻ってはこない。 「大丈夫だ。もう目が覚める頃――それにほら」 ルカはその気にさせるよう僕の手を 薫の分身へと導き握らせる。 「彼も僕らと同じ――弱い人間だということを忘れないで」
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