84人が本棚に入れています
本棚に追加
「よりにもよって……なんで合コンなんて言ったんですか」
「仕方ないだろ。つい口をついて出たんだからさ」
「友達いないから、兄弟で合コン行くって九条さんに思われた」
「うるさいな」
「それも人数合わせなんて。何ですか?自虐ですか?」
まああまりにも現実味のない理由が
逆によかったのかもしれない。
少なくとも征司も九条さんも
薫のことは僕より信用しているみたいだし。
2人で出かけるなら
そんな馬鹿はしないだろうと踏んだのは確かだ。
「そんなことより、あいつは――ルカはどうしてるんだ?」
僕らを乗せたリムジンはもうすぐ
吸血魔の住処である善意の革命会館に差し掛かろうとしていた。
「あそこにいますよ……最近はあまり動かないの」
僕は窓の外に目を逸らして
言葉尻を濁す様に言った。
最初のコメントを投稿しよう!