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「善意の革命のことは?」
「ああ。ネットで読んだから大体知ってる」
地下の会館へと続く不気味な階段も
もう慣れっこになった。
「気を付けて下さいね。足元が暗いから」
薫は勇敢にも僕の前を行く。
ルカは気づいているだろうか。
一番会いたかった人間と
多分一番会いたくない人間とがすぐ傍までやってきてること――。
「なあ……中で死んでたりしないよな?」
恐ろしいこと言って。
薫は扉の前まで来て立ち止まる。
「死んでませんよ。あなたに助けを求めたくらいだ」
きっとあいつは――期待して待ってる。
僕は薫の肩越し
後ろから扉を押し開け微笑んだ。
「どうぞ。ずっと奥――祭壇の後ろに小部屋があるの。ルカはいつもそこにいるから」
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