episode246  聖なるローブの下

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「さあ。どういう了見でしょう」 僕らがやってきたことには当に気付いているはずだ。 でも物音ひとつしない。 「ルカ」 僕は小部屋の扉を小さくノックした。 キャンドルが揺れ僕らの長い影も物々しく揺れる。 痺れを切らした薫がドアノブに手をかけた。 何の仕掛けもない。 木の扉は軽く内側に向かって開いた。 地下に設えた小部屋。 石壁が剥き出しの6畳くらいの空間だ。 窓もない。 当然日が差すこともない。 扉を閉じてしまえばそこにあるのは真の暗闇だけになる。 独房のようだと思う。 いやもっと言えばヴァンパイアの棺のような部屋。 僕らは暗闇に目を慣らそうと凝視する。 でもそんなことぐらいじゃ埒が明かない闇だ。 それで薫が一番手近な燭台に手を伸ばした。 その小さな灯りを手に 僕らは一歩ずつ闇の中へ足を踏み入れた。
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