episode246  聖なるローブの下

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「言っただろ……中で死んでないかって!」 突然の成り行きに頭を抱えた薫は 子供みたいに僕に八つ当たりして声を荒げた。 「だってそんなの……」 超能力者じゃない。 次に何が起こるかなんて僕に分かるもんか。 特にこんな予想外は――。 「彼はもっとタフだと思ったのに……」 抜け駆けして薫に電話するぐらいだ。 「それじゃ予想は大外れだな!」 薫は怒りに任せて突きつけるように僕に燭台を持たせ 自分は血だまりに膝をついた。 「おい!ルカ!しっかりしろ……!」 こういうところ。 うちの次兄が結局天宮家の兄弟の中では一番優しい。 汚れることも厭わず 薫はルカを仰向けにして抱き起こした。 両手首。 首筋。 胸元。 どこから出血してるのか顔を近づけ見定めている。
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