episode246  聖なるローブの下

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「薫お兄様に何したんだ……?」 もう一度聞く。 薫は放心したようにピクリともしない。 ルカがそんな薫を片手に抱えて すっくりと立ち上がった時。 仕込まれていた血糊の入った袋が ローブの裾からするりと滑り落ちた。 「一体なんの真似……」 「あなたの血を飲んだせいだ」 「え……?」 ルカは嬉々として笑みを浮かべたまま言い放つ。 「限度を知らない、悪戯っ子のあなたの血を飲んだのせいでこんなこと――」 ルカが片手に握っていた黒い物体を掲げる。 チリチリと稲光のような電流を放つそれが スタンガンであることに気づいてからすぐさま。 僕は手元の燭台の灯りを吹き消した。 暗闇に紛れて姿を眩ます為だ。 「ああっ……!」 だけど一瞬遅かった。 スタンガンは的確に僕の身体をとらえ 暗闇の中、完全に僕の動きを封じた。
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