episode246  聖なるローブの下

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朦朧とする意識の中。 身体を引きずられ階段を降ろされる感覚が 脳髄に響くように伝わってくる。 同時に夢うつつで思う。 ここにはもっと地下深く掘られた隠し部屋があるんだと。 それはまるでルカが心に抱えた闇のような部屋。 いや――むしろは誰にでもある心の深層か。 とにかく僕はその中核部へと向かって 引きずりおろされている気がしていた。 こんな時に限って――。 いつもは陰気なルカは鼻歌まじり。 シリアスな状況には不釣り合いの 軽快なメロディーがひどく耳障りだ。 煮て食うつもりか。 焼いて食うつもりか知らないけれど――。 そういえば薫はどうしたろう? 聞くまでもなく僕は次兄の居所を知る。 「ウゥ……」 痺れきった指の先に 唸り声を上げる滑らかな素肌が触れたからだ。
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