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episode246 聖なるローブの下
ルカが取り込まれるのは意外とあっという間だった。
僕にそんな気はなかった。
それは本当に本当。
あれから何度か善意の革命会館へ足を運び
例の吸血の儀式を行う間。
僕は本当に自分の中から悪意が抜けるものだと信じていたし。
ルカもずっと僕にそう言っていたから。
だからその日を待った。
真面目に大学に通い
あくびも出ないような退屈な講義を受けて。
問題も起こさず刺激となるものは極力避けた。
あえて性的な発散もしなかった。
その結果――。
ルカは退屈と倦怠
欲求不満に塗れ鬱屈とした僕の相手をし続ける事になった。
たった一人で
この僕の相手を――。
それで
幾度目かの儀式の最中にアイツ。
あんなに煌々としていた瞳を
泥のように濁らせ
「もう無理だ……」
突然吐き気を催したように
祭壇の前に倒れ込んだんだ。
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