episode246  聖なるローブの下

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ようやく瞼が持ち上がった時には 辺りは意外な明るさに包まれていた。 円を描くように ぐるりと部屋の周りを取り囲んだ赤いキャンドル。 部屋の中央に敷かれた毛足の長いラグの上で 僕は目覚めた――一糸まとわぬ姿で。 そして僕の隣には 「薫お兄様……」 薫が横たわっていた。 こちらもまた見事に裸に剥かれて ラグの白い毛足と違わぬ真っ白な肌を晒していた。 巻き毛の天使のような寝顔で 薫はまだ悪い夢を見ているようだ。 眉根を寄せたままピクリとも動かない。 そんな僕らの周りを足首まで覆い隠す黒いローブが 行きつ戻りつうろついているのが見える。 やがて僕の頭上で足が止まり ルカは独り言のように穏やかな声音で囁いた。 「こんなことをしてはいけないと神様は言われるだろうな……でもそれならなぜだい?」
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