episode246  聖なるローブの下

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「いいよ。僕のせいでいい。だから教えろよ――あんたの欲望とやら」 開き直ってラグの上に大の字で身を投げた。 僕は寛容なんだ。 特に欲望というやつには――。 ルカは僕らの傍に屈みこむと 恐る恐るといった様子で薫に触れる。 「どうして薫お兄様は目覚めない?」 ルカの指先は震えながら 毒林檎を食したみたいに眠りこける白雪姫の唇をたどった。 薫はあてがわれた指先に反応し無防備に唇を開く。 今にも指しゃぶりしそうな赤ん坊みたいな顔をして。 「薫くんには……抵抗しないよう薬を盛ったから……」 「へえ。何の薬?」 ルカが焦点の定まらぬ瞳で告白する。 「僕の言うことを聞く薬……欲望のまま拒めなくなる薬……」 「ふーん。そんないいものがあるんだ」 薫はまだ身動き一つしないけど 僕の身体はもうだいぶ自由がきくようになっていた。 ラグマットの上でうつ伏せに寝返ると尋ねる。 「それで?ルカ――薫お兄様を意のままにしたら一体何ができる?」
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