84人が本棚に入れています
本棚に追加
あきらかな誘導尋問。
僕は悪戯に笑い声を立てルカを挑発する。
「ねえそれじゃあさ、どうして僕には盛らなかった?その薬」
「それは……」
ルカは思いあぐねているようだった。
だけど僕には分かる。
この男は人一倍用心深いんだ。
明確な目的もなしに片方野放しにするような真似はしない。
「君は僕のやり方に応じると思った」
「ふうん。君のやり方――つまり君の欲望に僕が興味を示すと」
頭はどんどん冴えてきていた。
きっと雷に打たれる前よりもずっと。
「ああそうさ。拘束しなくても絶対取引に応じる。君はそういう男だから」
「そういうって?」
ルカは言葉を選ぶ顔をしたが
出てきたのは
「淫らで――欲深くて狡いコウモリみたいな男」
「ひどいな!」
僕は思い切り飛び起きた。
聖職者のくせにスタンガンで人を打って裸にしたのは誰だ?
最初のコメントを投稿しよう!