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確かにそれだけが目的なら
ここに僕がいること自体邪魔になるというものだ。
僕は首を傾げる。
悪い頭を捻る。
薫には言いなりにできるよう薬を盛った。
僕はルカの要望に逆らわない
あるいは賛同すると思われてこの通り。
素面で捨て置かれている。
ただし裸にされて――。
「あ……」
ピンときた。
ルカは僕が気付いたそのことに気が付いて
今更純朴な青年のように頬を染める。
「もしかして……僕に薫と交わってほしいの?」
だから絶対に断らないと。
僕は淫らで欲深いコウモリだから――。
「それだけじゃない」
「ってことはやっぱり……」
ルカは想定していた。
僕と薫がこのラグの上で溶け合うところを。
「それ以上に何があるの……?」
尋ねる声がかすかに震える。
何も知らず横たわる薫の裸体に視線を落としたまま
僕は生唾を飲み込んだ。
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