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「はい?」
「おまえも一緒に行くんだ」
って――そうくるか。
「どうして僕が?」
平然ととぼけてみせる。
「だとしたらどうするかな。どちらかのお兄様に一緒に行ってもらう事にしようか?」
「はあ?なんでっ……」
「俺一人だと危険なんだろ?」
「それは……」
そこで初めてしてやったりと
薫は滅多に見せない笑顔を見せた。
「さあどうする?征司兄か九条敬か――おまえがまた、周りの目を盗んでとんでもない悪さをしてるって、どっちに言いつけて欲しいんだ?」
「きたないよ」
「どっちがだ」
分かったのは薫にもしっかり
天宮家のスピリットが受け継がれていると言う事だけで。
「今夜あいつのところに俺を連れて行け」
僕に選択肢なんかあるもんか。
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