episode246  聖なるローブの下

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「分かりました――」 言うしかないだろ。 この際。 「だけど今のルカを見てあんまり驚かないで……」 ま、僕が壊した吸血鬼のなれの果てを薫に見られたとしても。 お兄様たちにばれるよりはずっとましだ。 「何が言いたい?」 「薫お兄様がショックを受けるんじゃないかって心配してるんです」 薫は鼻で笑ったが 無理しているのは一目瞭然だった。 「とにかく今夜だ」 「はい」 言い残すと振り返りもせず 薫は静かに部屋を出て行った。 それにしても会いに行くと言い出すなんて――。 もしかしたらルカだけじゃなく こちらにも執着はあるのかもしれない。 その繊細な背中の線を見ながら 僕は何となくそう思った。 僕が言うのもなんだけど 共依存というのは相当根深いものだから――。
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