episode246  聖なるローブの下

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(鳩じゃあるしこんなものばっかり……) 思いながらもにこやかに僕を見守る老執事に応え 何粒か口に放り込んでちょっとだけ笑顔を見せてやる。 そのまま噛まずに飲み込んだ。 苦手なものが好きになる日なんてくるもんか。 「残念だけど、父の手伝いがあるから僕は戻らなくちゃ」 「俺もだ」 九条さんが答えると間を置かず征司も頷いた。 だけどこちらはやっぱり一筋縄ではいかず。 「でもどうしてだ?どうしてそんなことを聞く?」 訝し気な眼差しが射貫くように薫をとらえる。 薫は嘘が下手だ。 「僕ら出かけようと思って」 思わず代わりに答えていた。 「へえ。君たちが2人で?どこに?」 九条さんがあからさま目を丸くする。 それも当然。 僕ら2人で出かけることなど この家の誰にとっても想定外なのだから。 たまたま見たい映画が同じで――。 僕は最もさりげない答えを用意していた。 なのに一足先に嘘の下手な薫が口を開いた。 「ご……合コンだよ!」
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