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「なんだって?」
ほらみろ。
変な空気になったじゃないか。
「いや、違うんだ。学校の連中が……合コンというのの人数が足りないとかで……それで俺とこれが……」
どこかでそんな話を聞きかじったのだろう。
焦った薫はさらに墓穴を掘った。
「つまり人数合わせに呼ばれたんだね?」
九条さんが何とも言えない不憫そうな顔で
そう確かめると。
「馬鹿馬鹿しい!」
王様はふんぞり返って盛大な溜め息をついた。
「そもそも合コンというのがどんなものかは知らないが、天下の天宮家の子息が2人も?人数合わせで呼ばれるとは世も末だ!」
九条さんが躊躇いがちに俯いて
苦笑を噛み殺すように小さく咳払いする。
仕方ないよ。
つまりーー僕らだれもが世間知らずなんだもの。
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