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空の雲を眺めていると、彰人が唐突に口を開いた。声に誘われるように圭佑は彰人へと視線を向ける。声は小さく口調には迷いがあるように感じる。
「ねぇ…圭佑。僕の従兄弟が友達の友達から聞いた話なんだけど…。」
紡がれる言葉はとても信じられるような話ではなかった。都市伝説、学校の七不思議と同じ怖い噂程度の話。なんの信憑性もない。彰人もそんな話を信じている訳ではないだろう。彰人の従兄弟の友達の友達…誰だか分からないその人物の話はこんな話だった。
『 昔、この学校で虐めに合っていた酒井くんっと言う男子生徒がいた。酒井くんは頼れる友達もなく、エスカレートする虐めに耐えられなくなり、誰も立ち入らない旧校舎の入口。下駄箱の所で首を吊って自殺した。壁一面に虐めっ子に対して呪いの言葉を残して。それから、酒井くんが自殺した旧校舎の入口、下駄箱の右から三つ目、上から二つ目に虐められた相手の名前を紙に赤い色で書いて置いておくと、虐めっ子を殺す力をくれる。ただし、虐めっ子を殺す代わりに酒井くんの友達にならなければいけない。』
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