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「おー、景気良く燃えているな!」
ここまで一面の炎だと人間は笑ってしまうらしく、ドライド妙なテンションで「ワッハッハ」と笑い続けている。人間の姿になって隣を歩くレオンはその異常さに「バグったのか」と心配になったほどだ。
しかし、よく燃えている。そこら中に火を吐く中型の尻尾の短いワニのような魔獣が闊歩しているが、レオン達を見つけても襲って来る様子は無い。この魔物の目的は、どうやら燃やす事のようで、人に危害を加えるつもりは毛頭無いのかもしれない。結果的に物凄く迷惑をかけているが。
よって邪魔な個体は容赦無く排除しているものの、掃討は後で良いだろう、と逃げ遅れたと噂の少女を探す。魔物は全然逃げる気配も無いので、暫く放っておいても大丈夫だ。とは言え、襲って来ないとしてもこんな物がウヨウヨしている場所に一人でいる少女の恐怖は如何許りか。レオンにもドライドにも想像できない。
炎と魔物からは逃げるだろうと、比較的火の弱い場所を中心に探していると、袋小路のようになった場所で立ち尽くしている少女を見つけた。近づくと、少女の方もレオン達に気付いてドライドに泣きながら抱きつく。
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