第一話「鬼の居ぬ間に何とやら」

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『理由については、我々にも分かりません。それも、貴方達には調査していただきます』 『つまり、今回は「何故、爆散したのか」「犯人は誰なのか」を調べてもらうよ』  普通、人体は爆発しない。それが起こったという事は、何らかの人為的な働きかけがあったのだろう。故に、その働きかけをした犯人を暴けということか。 『そして、現地にいる教会の人間と協力して事に当たってください』 「はぁ?」  室長の言葉にレオンが顔を歪ませる。一体誰を模したのか分からないが、それなりに整った顔が歪むと妙に残念な気持ちになる。いや、特にレオンの顔に愛着も何も無いのだが。 『先に教会の騎士団の子が調査してるんだってさ。だから、その子と協力して、って先方が』  先方、というのは教会の事で間違いないだろう。普段は馬鹿にしているくせに問題が起きればいいように使ってくる。そんな印象を抱くレオンはその提案に素直を頷けなかった。室長も、リオノールも通信機のホログラムではさいげんされないが訝しむか苦々しい顔をしている事だろう。 『断る理由は無いので、くれぐれも宜しくお願いしますよ』  この言い方からして「喧嘩をしたりして、面倒を起こすな」ということか。 『で、こっちはそういうのに詳しそうなロゥウェイ達も一緒に行ってもらうから』     
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