第2話 VR思想管理対策本部

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 24世紀の人類は不老不死のテクノロジーを手に入れ、事故と自殺以外では死ななくなった。その為、人口を調整する義務が全人類に課せられ、子供を持つのはごく限られた人達のみとなっていた。  シャルロットは実際には知らないが、調整の義務が決定された当初、反抗した勢力があったらしいことは歴史の授業で習っていた。  その反抗した勢力の人々は、生きながらえる権利を剥奪され、死に絶えたと聞いている。  でも、本当はどこかで生き延びているのではないか、と言うのが当局の見かただ。  時折、本当に居るしれない痕跡を、思想管理をしているAIが見つけるのだと言う。  その痕跡にしても、素人が遊びで残したものの中に、誰かに入れ知恵された可能性が高いものがあるとのことだ。  確証は持てないが、AIが導き出した犯人像からは、人間らしい抜けた面と、緻密な計算を元に冷酷に作業をする人物に行きあたる。
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