第2話 VR思想管理対策本部

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「やっと終わった」  卓上に置かれたエアディスプレイを前に、報告書と格闘すること30分余りが経過していた。 「後は、これを添付してっと」  間違えが無いように、2回見直しをしてメールで送る。 「これで完了っと」  エアディスプレイの上で指でスライドさせると、メールが送信された。  送信が出来たのを確認した後、エアディスプレイをシャットダウンさせようとした瞬間。 ――プルルル――  不意にアプリからの着信があった。  そこには上官であるニルスのしかめっ面した顔が映されている。 「あれ? 報告書に間違いでもあったかな?」  そんなはずがない、ちゃんと見たはずだ。だが、自信はない。
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