第3話 不協和音

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第3話 不協和音

――まったく人使いが荒いわね――  アンドレを捕まえた後、すぐにホアンキエム地区への出動の指示出されたのをニコールは不満に思っているようだった。 「仕方がないよ、人手不足なのはどうしようもないもの、1億人に1人しか『スターファントム』に成れないんだから、名誉ある仕事なんだよ」   光沢のあるハーフミラーのビルの壁を、僅か3mmの凹みに右手の指で捕まりながら、シャルロットはお決まりの口説き文句でニコールを宥めていた。  だがニコールは更に続ける。
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