第3話 不協和音

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――これぐらいのズレだったら大丈夫よ、作戦に影響ないわ―― 「そんなこと言わないでちゃんとやって。50mもズレてるわよ」 ――はいはい、優等生のシャルロット様。ちゃんと言うこと聞きますわよ――  言葉通り、シャルロットのエレクトロングラスに展開されているニコールを示すポインターが、定位置に移動した。  ふぅっと溜息を吐く。  100歳以上年上の人間に指示するのは気持ちのいいものではない。ともすれば、相手は自分より上手だったりするからだ。  他の3人が、シャルロットのことを本心では生意気な子供、ぐらいに思っているのは分かってる。たまたまとは言え、1度ならず2度までもリーダーに指名されたのだから面白くなく、反感を買ったのであろう。  不穏な雰囲気を打開する方法も見つけられないまま、シャルロットは機械的に指示を飛ばす。 「クロディーの方はどう? VRプロジェクターの展開順調?」
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