第3話 不協和音

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 ビルとビルの合間にヒュンッヒュンッという音だけが鳴り響く。屋外に出ている人間はまばらだ。  出ていても、自分だけのVR世界に浸りきり。僅かな音に気が付く者も居ない。  現場では、VRプロジェクターをいじくりまわしているクロディーが居た。 「おかしいな、なんで動かないんだよ」  シャルロットは透明化を解除すると、1人ぶつぶつ言っているクロディーの後ろに立ち、声を掛けた。 「何してるのよ」 「ひぃぃ!!」  周囲に響き渡るほどの、悲鳴をクロディーはあげた。
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