第4話 警告

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 オリヴィエの好意に甘えて、シャルロットはハロン湾の海辺に連れて行ってもらった。 「こんなところでいいの? もっとはしゃげる所かと思ったのに」  オリヴィエは不満そうに問いかける。 「いいの。どうせ他の所行ってもVRばかりで、私達じゃ楽しめないんだし。そうなるとこういう所ぐらいしかないじゃない」  世界遺産の小島が点在する海辺を眺めながら、シャルロットは答える。  本当は、18歳の若者らしく。異性が一杯いるところとかで遊びたいが、それらも全てVRのキャラクターと会話するだけの状態だと言うことを知っているから、存分に楽しむと言うことも出来ない。  VRが出来ないと言うだけで、青春の全てを奪われている気がしていた。だから、少しでもVRを感じない所に行きたかった。 「そっか、逆にこういう所の方がシャルロットみたいに若い子には受けるのね。私達の時代とは違うなぁ」
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