第1話 プロローグ

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 路地裏に入り込んだアンドレは、VR用のスーツを着込んでおり、夢うつつの中で、周囲は薔薇色であろうことが見て取れた。  実際には、彼の周りは掃きだめと言っていいほどの薄汚い路地だ。しかし、今の彼にとっては美女がたむろする社交場だった。 「△■☆○※」  言語を教えられないままVRの世界に漬け込まれた人類は、正しい発音すらできない。思念をそのまま相手に伝える以心伝心(テレパシー)により、意思疎通をしている。  その状態を利用して、シャルロット達は偽の社交場をVR空間に作り。アンドレを誘い込んだのだ。
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