第6話 新しい『感染者』

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第6話 新しい『感染者』

 インドのニューデリーに到着したのは、瞬間移動装置(テレポーテーション)が直った夕方の6時になるところであった。 ――呆れるわね、昔の飛行機とかの方がまだマシって――  相も変わらずニコールが愚痴る。  既に到着してから30分以上は経っている。が、彼女には関係ない。  南国特有な湿気の多い暑さの中、炎天下でずっと待たされたのだから、仕方がないのかもしれない。 ――まだ、言ってるの? もう3回目よ。気を引き締めないと、『感染者』の集団に囲まれて襲われるわよ――  オリヴィエの落ち着いた声が内臓スピーカーから聞こえた。ニューデリーの支部に到着すると、作戦のファイルには、オリヴィエがリーダーとなっていた。 ――なにそれ、フラグ? 本当になりそうだから止めて――
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