第8話 犠牲者

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「どうぞ、乗ってくださいな。ニルス上官はお持ちじゃないんでしょう?」  滑らかな曲線を描くスカイカーの扉の一部が開くと、ニルスは迷わず乗り込んだ。 「お客さん、どちらまで?」  オリヴィエはおどけた様子でタクシーの真似をした。 「懐かしいな。それじゃ、ビンミンの美味しいところがあるからそこへ行こう、地図を出してくれ」  ニルスに言われて、後部座席にパネルを表示させる。  表示された地図を操作すると、ピンをたて。自動運転が始まった。 「焼き鳥か~、最近食べてないわ」  オリヴィエが感想を述べる。 「なんだ、折角ハノイに居るのに地元の料理は食べないのか」 「そういう訳じゃないけど、ちょっと香辛料が苦手なのもあってそんなに食べないの」
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