第4話 警告

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第4話 警告

――見失っただと?――  画面の向こうでブロンドヘアに、似合わないウェリントン型サングラスを掛けた、上司のニルス・ジャブイユがしかめっ面をしている。 「はい、申し訳ありません。ジャック・ベルジュラックを取り逃がしてしまい、その後行方が分からなくなってしまいました」 ――ふん。それで、他の『感染者』はどうした―― 「それはクロディーが捕まえました。2人とも更生施設送りになっています」  本当はあの後、シャルロットがVRプロジェクターを操作してやっと作動させたのだが、そこは言わなかった。 ――ほう、クロディーがね。珍しいこともあるもんだ――  ニルスはちらりとサングラスをズラして、画面の向こうから黒い瞳を覗かせる。
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