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ピンクのウサギ①
ひとりぼっちとピンクのウサギ
真っ白が降る夜
一匹のピンクのウサギが
空を見上げていました
「んばっ!んばっ!1人淋しい!」
周りをキョロキョロピョンピョン跳ね回り
「誰かー!!」
声は遠くへ飛んでったっきりです
ピンクのウサギは淋しくなり
周りに積もった
真っ白を集めて形を作りました
真ん丸な頭に、真ん丸な体
まん丸お目目に、まん丸お口
「あなたも1人?私と遊びましょ?」
答えは返ってきません
ピンクのウサギは
とてもとても淋しくなりました
「真っ白さんは なーんにも答えてくれないね」
真っ白さんの目だと決めた場所を見つめながらつぶやいた
「イーだ真っ白さんなんて嫌いよ」
プンプンしながら
ピンクのウサギは湖の方へ
ピョンピョン跳ねて行きました
湖に着くと1人で淋しそうに湖を見つめる
猫を見つけました
「綺麗だなぁ、欲しいけど僕泳げないしなぁ」
ピンクのウサギは
そっと後ろから覗きました
すると湖の中からキラキラ輝く石が
「んばっ!綺麗ねあれ!」
猫ばびっくり
毛を逆立ててピンクのウサギをの方に体を向けました
「ねぇあなたはあれが欲しいの?」
驚きもしないピンクのウサギを見て
何だか照れ臭くなり
逆立てていた毛をゆっくりと戻して
「うん 綺麗でしょ 僕はあれを見つけて何日も見ているんだよ」
猫とキラキラ輝く石を交互に見て
「んばっ!わかった!」
ザブーン!
ピンクのウサギは湖に飛び込み
溺れたような泳ぎ方で潜り
キラキラの石を湖の中からこちらへ
放り投げたのです
「んばっ!んばっ!ほら早く取って!欲しかったんでしょ!」
猫はそのキラキラの石を拾い
見るのもそこそこに
ピンクのウサギの元へ
「ウサギさんは泳げるの?」
ピンクのウサギは笑いながら
「泳げないよ!」
猫はもっと大きな声で
「危ないよ!どうしてこんなことするのさ!」
ピンクのウサギは不思議そうに
「あなたが欲しがっていたからよ?」
すると猫の目から涙があふれてきた
「それだけ?それだけでウサギさんは飛び込んだの?」
ピンクのウサギはやっぱり笑いながら
「それと猫さんが寂しそうにしてたから、私と一緒、私も寂しいの、お友達になって」
猫はウンウンと泣きながら答えた
猫はキラキラを手に入れれたし
ピンクのウサギは少しだけ淋しくなくなった
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